いつも何かに追われています、野田です。
さて、前回は「導入編」ということでタスクボードを導入するに至った経緯を紹介しました。
今回は「運用編」ということで、タスクボードをどのように運用しているかの紹介です。
タスクボードのレイアウト
まず決めるのは、タスクボードのレイアウトです。
ぱっと思いつくタスクボードはこんな感じでしょうか。
縦軸は担当者、横軸は3つの時間軸で区切られており、左から右にタスクが流れる基本形だと考えられます。
今回はこの基本形を踏襲しますが、タスクが発生した(ToDoに付箋が貼られた)時点では既にタスクの担当者が決定しており、目標でも掲げている属人化の排除と言った点で効果が発揮できそうもありません。やはり、横軸(各時間軸)の垣根なく縦軸(各担当者)が一貫して同じというのは、趣旨に反します。
ToDo領域
ToDo領域は、担当者は決めずにタスクが貯まるだけという場所にします。これは最初から担当者を決めておくと属人化が加速してしまう(特定の人しか作業できない)からです。考えたくはありませんが、担当者が蒸発(退職したり、病気になったり、ばっくれたり。。。)したときのリスクを考慮しなければなりません。また、急に手が空いた場合など適材適所で担当者をアサインできるのも担当者を決めておかないメリットだと考えます。
理想形はこんな感じです。
無造作にタスクを貯めるだけというのも勿体ないので、新しい縦軸を設定します。タスクには「優先度」、「カテゴリー」、「開始日」、「期限日」などいくつかの要素があります。可視化するメリットとして期限日や優先度を鑑みたタスクの消化順を示してくれるという点が大きいので、縦軸は優先度ごとに分けることにします。
※カテゴリーの識別については後述します。
各優先度の割り振りは以下です。
- 「高」
期限日が間近(だいたい1週間以内) OR バグなどの緊急対応するタスク - 「中」
期限日がそこそこ間近(だいたい2~3週間以内) OR 手が空いたら対応するタスク - 「低」
期限日が設定されていない OR 降ってきそうなタスク
優先度の割り振りは運用してみて馴染むように変更していければと思います。
Doing領域
Doing領域は、担当者ごとに作業中のタスクを貼るので縦軸は担当者となります。基本的な運用としては、当日に消化するタスク以外はToDoに貯められているので、対応する分のタスクをToDoからDoingに移動してくるだけです。しかし、前述したように属人化を防ぎたいといっても、どうしても担当者が固定されているもの(権限やスキル、指名打者)があります。このようなタスクについては予め担当者を決めることを許可し、貼っておく場所が必要になります。そこでTODAYとSOONの2つにわけて、TODAYには当日に着手するタスク、SOONには近々着手予定や作業が中断している自分のタスクを貼ることとしました。
※実はこのアイディアはどこかのブログで見たんですが、参照先を忘れました。すみません。。。
Done領域
Done領域は、完了済みのタスクを貼り付けるだけですが、レビュー待ちとなっていて完了済みにできないタスクが発生します。そこでReview領域も設けました。
また、タスク完了時点(Doneに移動する時)で、付箋に「完了日」と「担当者」を書くようにしました。
レイアウトが完成しました。
運用風景はこんな感じ。
付箋に書くこと
肝心の付箋に書くことのまとめです。運用していると書くべき情報がブラッシュアップされ、いい感じになってきます。
付箋に書くべき情報
- タスク発生日
- 案件名
- 概要
- 期限日
また、付箋の色も有効活用します。
- ピンク ⇒ 社外のタスク(クライアント案件)
- グリーン ⇒ 社内のタスク(他部門からの依頼など)
- ブルー ⇒ 部内のタスク(システム部内で完結するもの)
- イエロー ⇒ その他
色で分けることで、視覚的にどのカテゴリーの案件が多いのかなど一目瞭然です。
運用ルールまとめ
ここで運用ルールのおさらいです。
- 各人がタスク発生と同時に付箋に要領を記載し、優先度に応じたToDoへ貼り付ける。
(最優先タスクかつ、すぐに取り掛かるタスクについてはDoingへ貼り付ける) - 毎朝5~10分のスタンディングMTGを行い、その日行う作業をDoingへ移動、またはDoingにあるタスクを確認する。
(基本的に5~10分遅くなったところで業務に多大なる影響はないと考え、余程の理由がない限り必須参加とする) - スタンディングMTGの際にタスクの消化具合を鑑みて、タスクの振り直しなどを行う。
- タスクが完了したらDoneに移動、もしくはレビューが必要(レビュー中)なタスクはReviewへ移動する。
やってみて良かった点
可視化がすすんだ
思惑通り、誰がどのようなタスクを行っているのか、忙しい人(または暇な人)は誰かがひと目で分かるようになり、タスクの割り振りが楽になりました。また、停滞しているタスクについても把握できるので、忘れされれるタスクというのがなくなりました。
情報共有がすすんだ
閉鎖的だったタスク内容が共有されるようになったので、疑問点や躓いている点などが発信され、解決の糸口を誰かが提示するということもあります。
これからの課題
Doneの付箋をどうしたらいいのか
2日分の付箋は貼っておき、古くなったものからビニール袋に入れてしまっています。最終的にこのビニール袋をどうしようか模索中です。年末に集計してタスク消化が多い人や案件別の統計などが出せたら面白いかと。
属人化は治ったのか
属人化解消についてはまだまだです。ただ、確実に属人化が発生しないフローにはなっているので、今後に期待したいです。
タスクの粒度がびみょい
人によってタスクの粒度が違います。タスクを大きく書きすぎて何日も付箋が滞留しているのは健全ではありません。他人のタスクの書き方を見て、各人がマネジメントできる粒度に落とし込んで欲しいです。
6月からタスクボードの運用を始めて、まだまだ改善点はあるものの、しっかり定着したタスク管理だと思います。他部門でもタスクボードを始めるなど他者への影響もあったので、好評ではあると思います。今回はホワイトボードを購入しましたが、「壁」を活用すれば付箋だけで始められます。タスク管理でお困りでしたら、タスクボードを検討してみてはいかがでしょうか。
ではでは。